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大島の植物その2
大島の植物
日本の植物学の父といわれている植物学者故牧野富太郎氏が「東海の花彩島」と名づけた大島は、
一年中その名のとおり、花に彩られる島です。また、大島には固有種・準固有種の植物が多種あることでも
知られています。
いわずとも知れた大島といえば「やぶ椿」です。もともと多く自生していたこのやぶ椿ですが、
火山灰を多く含んだ水はけの良い土壌と島ならではの風の強い土地柄、防風林としても数多く植林され、
また椿油の原料としても植林された結果、今では島内に300万本あるといわれるほど島中がやぶ椿だらけです。
植物で「オオシマ」と名のつくもので一番有名なのが、オオシマザクラ(準固有種)です。
数少ないサクラの自然種であり、ソメイヨシノの親としても有名です。意外にオオシマザクラも島中にあり、
その数180万本と言われています。新緑の季節の4月初めには、山がひと時白い洋服をまといます。
二番目はオオシマツツジ(準固有種)です。一般のヤマツツジと比べ花芽、花冠が大きく、
花の色が鮮明。4月中旬から5月終わりまで島の至る所で見ることができます。
また、大島温泉ホテル内にあるツツジ園はすばらしくきれいです。
オオシマツツジが咲き終わると、そろそろ梅雨入り。
そんなじめじめ気分を吹き飛ばしてくれる可憐な花が、ガクアジサイ(準固有種)です。
中央の両性花は淡青色、まわりの装飾花は白で、そのとりまきが額縁のようなのでガクアジサイといいます。
7月から8月には三原山のカルデラ内でサクユリ(固有種)が咲きます。
花は純白で大きく、その香りは強く、カルデラ内があまい臭いで包まれるほどです。
10月から11月ころまで海岸をにぎわせるのが、イソギク(準固有種)です。
葉の淵は白色にくまどられ、裏は銀白色の毛に被われています。秋のさびしい海岸を黄金に彩ります。