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00 7.イボアナゴウ Sanhaliotes varia (LINNAEUS 1758)
 伊豆諸島に広く分布。フクトコブシが転石の裏に生息するのに対し、岩礁・転石の殻長相当のくぼ地コンクリート護岸の隙間等に生息しています。この生態から八丈島ではアナマモリ・ヨウマモリの方言があります。著者の最大標本は八丈島産8.06cm。生息水深は浅く採取しやすいが肉は硬い。
イボアナゴウの最大型(八丈島)
ウニと一緒に穴を守るイボアナゴウ(樋口氏提供)     
触手を広げてヒザラガイに擬態?
8.ヒラアナゴウ   Sanhaliotes stomatiaeformis REEVE 1846
 小笠原産のイボアナゴウ類の殻は扁平小型で本種に整理されています。しかし、形状は様々で、父島でも、コペペ海岸等斃死したサンゴ礁の多い海岸ではヒラアナゴ型、豆腐岩等海藻のある場所はイボアナゴ型。北硫黄島・硫黄島・南硫黄島にはヒラアナゴ型が生息しており、再検討が必要と考えます。
 なお、黒田(1947)は、殻の斑紋色調は赤褐色、疣状突起は起こらないと言っています。真珠層は緑銀調である等からイボアナゴと区別出来、コビトアワビSanhaliotes jacnensis REEVE 1846 系統ととしています。Fukuda(1993)は、本種をアナマモリと仮称し、Kurozumi(1993)はマリアナ諸島から2タイプのアナマモリを報告しています。なお、アナマモリは八丈島でイボアナゴの方言です。 
ヒラアナゴウ
                   
ヒラアナゴウのイボアナゴウタイプ(小笠原産)
ヒラアナゴウ(小笠原産)
9.チリメンアナゴウ Sanhaliotes crebrisculpta (SOWERBY 1914)
 八丈島では水深20m前後に生息していますが、小笠原の生息水深は浅く、父島西島水深2mが最浅記録。肥後(1993)はヒラアナゴ(後述)と同種と整理しましたが、形状はフクトコブシのナガラメ型に類似します。なお、日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司 2000 東海大出版会)には、産地小笠原、フィリピン、ニューカレドニアとして図示されています。八丈島の生息水深は大きさが同程度のフクトコブシ幼貝より深く、殻表面の彫刻は縮緬状で赤みが強く美しい貝です。水中では触手を長く伸ばし動きは敏捷です。小笠原では普通種。父島産の殻長は27.3±14.2mm(範囲20.4-34.4mm,N=12)。硫黄島監獄岩水深20mで1個体採集(1985年7月)。
チリメンアナゴウ
チリメンアナゴウ(八丈島三根地先)
チリメンアナゴウの色変わり
10.マアナゴウ  Ovinotis ovina (GMELIN 1791)
 貝殻はイボアナゴウに比べ丸く、八丈島以南に分布、群れをなさず単体で生息するようです。
 イボアナゴウ・ヒラアナゴウに比べ肉は美味。小笠原では普通種。父島産殻長22.9-50.2cm。
小笠原のマアナゴウ(表)
小笠原のマアナゴウ(裏)
マアナゴウ




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