トッピック スイショウガイ科1

スイショウガイ科
1.スイショウガイ Laevistrombus canarium turturella (RODING)
 小笠原(Uchiyama,R. 1903)、他に採集記録はありません。                   分布:房総半島以南
2.アツソデガイ Tricornis thersites (SWAINSON)
  殻は重厚、螺塔は高く細く尖り、大きさ約12cm。八丈島神湊沖水深30-50m、1955年薬莢引上げの付随物。薬莢とは、真鍮製の小筒で、火薬を詰める容器、鉄砲に装填して弾丸を発射するのに使います(広辞苑)。1955年(昭和30年)第2次大戦の遺物である薬莢の引き上げが行われた。この時に、南方系の貝であるアツソデガイ・サソリガイ・ゴホウラ・マイノソデ・スイジガイ・トウカムリ・ショッコウラ・アンボイナ等々が採集され、一部は東京都水産試験場八丈分場に保存展示されました。その後、この水深で行う漁業も無く、採取手段が無くなりました。興味ある事例です(西村和久 1969)。
 1950年頃、父島在住木村ジョンソン氏が兄島万作海岸で生貝2個体採集。1987年、西村和久、硫黄島にて死殻1採集。
 分布:奄美諸島以南。
3.ゴホウラ Tricornis latissmus (LINNAEUS)
 漢字は護法螺。殻は重厚、螺塔は外唇の袖に隠れる。背面の結節は大きいがあまり隆起し
ていません。大きさ殻高約18cm。八丈島神湊沖水深30-50mで1955年、薬莢引上げ時に三根
在住の広江新一氏が採集(草苅正 1985)。
 オオツタノハガイの項で、貝で作った腕輪について述べましたたが、本種の貝輪は各所で見
つかっています。縄文時代に多く、弥生時代や古墳時代にもみられます。(九州国立博物館 
2006)。                                                    
 分布:種子島以南。
     
4.ムカシタモト Canarium mutabilis 
(SWAINSON)
 殻高約4cm、口内は淡紅色。伊豆・小笠原
諸島の潮間帯に普通。             
 分布:房総半島以南。
5.ヤサガタムカシタモト Canarium microurceus KIRA
 ムカシタモトに似ていますが小形(殻高約2cm)、口縁は両唇共に黒彩。伊豆・小笠原諸島の潮間帯に普通。              分布:房総半島以南。
6.フトスジムカシタモト Canarium labiatu

(RODING)
 別名ヒダトリガイ。肩部から縦に長い強い
襞列があり、肩部結節状になる。八丈島で記
録がある(葛西重雄、1958)。        
 分布:紀伊半島以南。
7.ミツユビガイ Canarium tridentatum 
(GMELIN)
 八丈島、小笠原にて採集。手塚芳治
(1996)三宅島にて採集。本種は殻口外縁下
部に3つの突起が生じていますが、本海域で
は、このタイプは、採集されていません。未成
j熟貝と思われます。殻口内は黒褐色。大き
さ約5cm。                     
 分布:紀伊半島以南。




8.マクラソデガイCanarium fragilim (RODING)
 殻はやや太めの紡錘形。大きさ約3cm。八
丈島(葛西重雄 1968)。            
 分布:奄美大島以南。
9.トンボソデガイCanarium terebellatum 
(SOWERBY)
 殻は砲弾形で薄質、平滑で光沢が強い。大
きさ約4cm。八丈島(葛西重雄 1968)。   
 分布:奄美大島以南。
10.オハグロガイ Canarium urceus  
LINNAEUS
  殻口は狭く、外唇内壁には細い螺状脈があ
り黒色。父島にて破片採取(大里卓司 
1987)。
 分布:紀伊半島以南。
11.シドロ Doxander vittatus japonicus 
(REEVE)
 紡錘形で螺塔が高い。手塚芳治(1996)三
宅島にて、魚網に絡まった生貝を採集。小笠
原では岩川(1919)、遠山宣雄(1937)、倉田
洋二(1969)の採集記録がある。       
 分布:房総半島以南。
12.イボソデガイ Lentigo lentiginosus 
(LINNAEUS)
 殻は堅固で太目の紡錘形、大きさ約8cm。
肩部に結節列があり、殻口は淡橙紅色。
切手の発行国はコモロ諸島、アフリカ大陸南
東、モザンビーク海峡北部の4島よりなり
1975年フランス領から独立した。生きた化石
シーラカンスの捕獲地として有名。
 葉書は平成2年日向誠さんからの年賀状、
日向さんは大学の3期先輩で、卒業と共にア
ラフラ海に渡り真珠養殖に専念された。年に
1・2度帰国された折に新宿のご自宅で南の
海の話や貴重な標本を頂戴した。また、紀州
南部や伊豆急が開通時には南伊豆の採集
等にご一緒し教えを頂いた。そして長年のコ
レクションを整理できる時間が生じた時に他
界されたことは実に残念であった。
 小笠原(倉田洋二 1969)で記録がある。 
 分布:種子島以南。
13.マイノソデ Euprotomus aurisdianae 
aurisdianae (LINNAEUS)
 八丈島神湊沖水深30-50m、1955年薬莢引
上げ時に採集。八丈島横間で揚げ砂より採
集。 
 本種に類似したベニソデEuprotomus bulla
 の切手は琉球、今の沖縄県で1967-68年に
貝切手シリーズとして発行された5枚組の1
枚。
 下の写真は、平成12年4月に、久米島の小
川真司さんから頂いた絵葉書。スイショウガイ
の仲間は大きな目を持っているのが特徴で、
小川さんの水中写真はその目を良く捉えてい





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