つつじ小学校校歌





○校歌の由来(製作者:宇山基道さんの言葉)
 校歌製作を始めるにあたって、まずは歌い始めの言葉に思いを巡らせました。ひと言で大島であることを表現するかのような言葉、そして後世にまで残しておきたい言葉・・。そこで頭に浮かんだのが、大島の人たちの日常に溶け込んでいて、なおかつ島独特の使われ方をしている言葉・・・「ナライ」でした。

 太平洋沿岸で冬を中心に吹く風である『ナライ』。大島では冬はもちろん、春先に至るまで北東から吹く強い風で、自分の記憶をたどると、季節が春になったにもかかわらず、気温が下がり強い風が吹いたとき、地元の漁師たちは 『今日はナライだからよぉ』 とシャツの上に一枚着物を羽織ってつぶやいていた風景がよみがえります。

 どれだけ時間がたっても、『その一言』を目にしただけで、記憶の中の風景や誰かとの会話、そしてその相手の表情など、とても簡単には語りつくせないほどの思いが溢れることもあるものです。今回、この効果の第一声は、そんな島の人々の 『心の合言葉』 にも成りえるひと言をあげました。

 その風に目を覚ます島の緑。そして、そんな朝に子供達が坂を歩いていく姿。これからつつじ小学校の開校と共に、そのような情景があの通学路に広がるのだと思います。

 二行目には、つつじ小学校が建っている場所からの眺め、そしてその学校に友達と手をつなぎ歩いて向かい、その手のひらには温もりが生まれる・・・、といった風景を描いています。

 しかし、この歌詞にはもう一つの意味があります。『波差す』という言葉に、統廃合によりその役目を終えた二つの小学校の名が刻まれています。そして、その二つの学校が 『二つ手をとり 一つ温もり』 ・・・、つまり、一つの温もりが『つつじ小学校』となります。

 
 『つつじの学び舎 ここがふるさと』

 
 この校歌をこの一言で締めくくったのは、こどもたちや地元の方々にとって、つつじ小学校が常に愛される存在であることへの願いです。

 そして、子ども達が学校から巣立っても、いつでも振り返ることのできる場所として、『つつじ小学校』があってもらいたいと思っています。

  
              平成二十一年 三月  つつじ小学校校歌  製作者 宇山基道




校章



全体像は「つつじの花」と「黒潮」をイメージしています。
花びらの下にある4本の線は、学区域にある
「間伏」「差木地」「クダッチ」「波浮」の4地区を表しています。 
 子どもたちが、島の海のように優しく強く育ってほしいという思いが込められています。