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百日咳について
百日咳について
百日咳が流行しています。
全国的に患者報告数が増加しており、東京都では2025年に入ってから5月11日まで約1150件の報告がありました。2024年の東京都における年間報告数である400件を既に上回り、去年に比べて急速に報告数が増えています。大島町(島しょ部)ではまだ届出はありませんが、今後さらに流行が拡大する可能性もあるため、十分な注意が必要です。
乳児に感染すると重症化する恐れもありますので、予防接種など早めの対策をお願いします。
百日咳とは
百日咳は、百日咳菌による急性の気道感染症です。激しい咳を伴う病気で、どの年代でもかかりますが、子どもが中心で、近年は特に5歳以上10歳未満の患者の増加がみられます。1歳以下の乳児、特に生後6ヶ月以下の子どもは重症化しやすいため、注意が必要です。
症状
百日咳菌の感染によって起こる呼吸器感染症です。潜伏期間は7~10日で症状は3期に分かれます。
1.カタル期(約2週間):風邪症状に始まり、徐々に咳が強くなっていきます。
2.痙咳(けいがい)期(約2~3週間):短い咳が連続的に起こり、咳の終わりに大きく息を吸い込み、痰を出しておさまるという症状を繰り返します。
3.回復期(約2~3週間):激しい咳は徐々に治まり、時折、発作性の咳があります。
乳児期早期では特徴的な咳がなく、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ、けいれん、呼吸停止と重篤となる場合があります。合併症としては肺炎や脳炎があります。
また、成人の百日咳では咳が長期にわたって持続するものの、典型的な症状がみられないため診断が見逃されやすく、感染源となって周囲へ感染を拡大してしまうこともあるため、注意が必要です。
感染経路
主に患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌による感染(飛沫感染)や、患者と接触したりすることによる感染(接触感染)とされています。
予防対策
百日咳の予防には、ワクチン接種(五種混合ワクチン)が有効です。生後2カ月から予防接種法に基づく接種が受けられますので、計画的に接種しましょう。
予防接種による免疫効果は4~12年で減弱します。最終接種後、時間経過とともに、接種歴がある人も感染することがあります。
また、手洗い、マスク着用、咳エチケットなどの基本的な感染対策も重要です。
外部リンク
東京都感染情報センター 百日咳の流行状況(東京都 2025年)