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ヒゲマキナワボラ科                                                
   ヒゲマキナワボラ科
1.ソウヨウヒゲマキガイ Torellia pacifica OKUTANI
 螺塔は低く体層に9本の螺状肋があり、特異な形をしていて殻皮は
極めて厚い特徴がある。写真は奥谷喬司(2000)。御蔵島沖の水深
1,350-1,500mで初めて採集された。
2.イソチドリ Amathina tricarinata (LINNAEUS)
 タイラギやイタボガキ等の殻表に着生し、殻は殆ど笠形で殻表に
太く鋭い3本の肋があります。フイリッピンで採集されるものは約3cm
と2倍の大きさです。 八丈島で打上げ個体を採集。写真はフィリピ
ンのセブ島産(西村、2000)。                      
 分布:房総半島以南。
3.サワラビ Separatista  
helicoides (GMELIN)
 八丈島で、打上個体を採集し、小
笠原父島二業地の水深2mの岩場に
棲息するケヤリムシ棲管に着生して
いる5個体を1年間観察した例があり
ます。写真は小笠原産(西村、198
6)。                   
 分布:房総半島以南。
4.ウマノサワラビ Separatista blainvilleana PETIT
 殻は螺旋状で螺層は離れている。八丈島の神湊沖水深50mに沈
んでいた錨を引上げたときに生貝を2個体採集した(草苅正 1996)。
写真は波部忠重:小菅貞男(1965)。                   
 分布:奄美諸島以南。
                        カツラガイ科
1.カセンチドリ Capulux batius DUNKER
 殻はやや細長い笠形で淡紅色。殻長約8mm。 八丈島で、打上げ
られたものが多数採集される。                      
 分布:房総半島以南。
2.カツラガイ Capulux dilatatus A.ADAMS
 イタヤガイやツキヒガイの殻表に付着します。殻は笠形でほぼ円
形。殻長約1cm。小笠原で死殻が採集されています(大里卓司、 
1996)。                                    
 分布:房総半島以南。
3.トサカツラ Hyalorisia tosaensis (OKUTANI)         
 クラゲツキヒガイの殻表に付着します。殻は半透明で黄色の殻皮
を被っています。ベヨネーズ列岩の水深2,140-2,150m(奥谷喬司 
1994)、ベヨネーズ列岩の水深2,020m(奥谷喬司 1994)で採集され
た。写真は菱田嘉一(1999)。                      
  分布:相模湾〜九州西岸。
                 カリバガサ科
1.アワブネ Bostrycapulus gravispinosus (KURODA & HABE)
 殻表に棘の列がある。伊豆・小笠原諸島で打上個体が採集されて
いる。写真は千葉県富津産(須田明、1996)。
 分布:房総半島以南
2.シマメノウフネガイ Crepidula  
onyx SOWERBY
 1969年、三浦半島岩浦で採れたも
のをネコゼフネガイと報告され(間瀬
欣)、その後シマメノウフネガイに訂
正された本来は北アメリカ産の貝。 
 伊豆諸島では、1972年11月大島野
増産メガイアワビ1,500個体の3個体
の着生を確認、最大殻長18.3mm(西
村和久 、1975)。以後棲息域を拡大
すると共に大型化。1985年、三宅島
伊ケ谷にてキヌカツギイモに付着し
た個体を採集、殻長23mm(手塚芳
治 、1989)。1987年八丈島大賀郷南
原にて打上げ個体を採集、殻長20.
3mm。
          クマサカガイ科
   
 熊坂貝は殻の地肌が見えないほど貝殻や小石を付着させています。クマサカとは平安時代末期
の伝説的盗賊として知られる熊坂長範に由来し、この貝が背面に貝殻や小石を付着させている状
態を、盗賊が背中に熊手等の七つ道具を背負った状態に見立てて付けられた和名と言われていま
す。他の貝を奪うので盗賊の名をとったという説もあります(岡本正豊 1997)。なお、広辞苑によれ
ば、熊坂長範は奥州に赴く金売吉次を美濃国赤坂の宿に襲い、牛若丸(後の源義経)に打たれた
と言われているとのこと。             
1.ホンクマサカ       
Xenophora japonica KURODA & 
HABE
 三宅島でドレッチを曳き死殻が得ら
れ(永井私信)、小笠原のサンゴ漁
場で採取された(笹生一雄 、1970)。
 分布:房総半島以南。
2.クルマクマサカ    
Xenophora solarioides      
(REEVE)               
 小笠原のサンゴ漁場で採取された
(福田宏、 1995、大里卓司、199
6)。
 分布:紀伊半島以南。
3.ウスクマサカ          
Xenophora tenuis  FULTON
 殻質はやや薄く、周縁に歯状突起
があり、底辺は白色で著しく窪んでい
ます。付着物は小形で数少ない。
 小笠原のサンゴ漁場で採取された
(笹生一雄、1970,草苅正、198
5)。
 分布:駿河湾以南。
4.コゲクマサカ       
Xenophora torrida          
 KURODA&ITO          
  シワクマサカ Xenophora
 cerea(REEVE)の異名。表面の
襞は深くはっきりしていて殻は濃褐
色。小笠原のサンゴ漁場で採取され
た。
 分布:紀伊半島以南。
5.キヌガサガイ            
Onustus exutus (REEVE)   
 浅い笠形で殻は薄く表面は黄褐色
で頂部に僅かな砂粒を付けていま
す。小笠原で採取された(福田宏、 1
993)。
 分布:房総半島以南。




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