トッピックスズメガイ科

スズメガイ科他
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ヒゲマキナワボラ科
ヒゲマキナワボラ科
                              
 1.キクスズメ Sabia conica(SCHUMACHER)
 アワビ等大型巻貝の殻表の肛門付近に付着して
います。笠型で強い放射肋があります。右の写真
撮影は大山桂(1959)、伊豆諸島・小笠原諸島にて
採集。 下のフクトコブシは伊豆大島産。      
 分布:北海道南部以南。              
             

                              
                              
                              
                              
       
2.アツキクスズメ Sabia acuta (GUOY & 
GAIMARD)
 前種に似るが殻が著しく厚い。写真撮影は大山
桂(1959)による。小笠原産。             
 分布:沖縄以南。
3.ウニヤドリキクスズメ Sabia prinocidaricola 
HABE & KANAZAWA
 1984年の夏、小笠原父島宮の浜の海岸で、キク
ススメガイに似た打上げ個体を採集した。殻長12.
2mm、殻高6.6mm、殻幅7.0mmと極めて扁平な貝で
あった。                         
  また、1986年の夏、宮の浜の水深2m、サンゴ
礁の間隙に棲息するバクダンウニの棘上に固着す
る同種を採集した。この貝はピンセット等では脱落
させられないほど強固に固着していた。2個体を採
集できたため、生貝の方を波部忠重先生に査定を
お願いするため郵送した。
 本種は後日、新種と判明したが、その標本は、フ
イリピンのパンラオ島に産するノコギリウニの棘上
に固着したもので、ウニヤドリキクスズメガイと名付
けられた(波部忠重・金澤壽男 1991)。フイリピン
産と比較した結果、小笠原産も同種と判断した(西
村和久 1994)。

バクダンウニ棘上に固着している
4.オトヒメスズメ Malluvium otohimeae HABE
 スミス島近海のサンゴ漁中(1968-1969)に採集
(草苅正 1985)。小笠原、西ノ島でチョウセンサザ
エに着生したものの記録がある。殻は白く、殻表は
なめらか。 写真は和歌山県堺産。         
 分布:相模湾以南。
5.カワチドリ Antisabia foliacea (GUOY & 
GAIMARD)
 円形で殻は厚く、成長脈は板状に重なり大きさは
約1cm。小笠原で記録がある。            
 分布:房総半島以南。
6.スズメガイ Pilosabia trigona (GMELIN)
 殻表には殻皮毛の生えた放射肋がある。殻内は
一部赤褐色。大きさ約1cm。伊豆諸島から記録が
ある。
 分布:房総半島以南。
7.バクダンウニトゲヤドリニナ Trochostilifer phyllacanthicola HABE &NISHIMURA
 小笠原諸島の磯に多産するバクダンウニの棘の内部に寄生する貝で新種(西村和久・波部忠
重 1992)。本種が寄生する棘は、外部からの観察が容易で、棘の一部が膨らみ瘤状になつた
り、棘全体が短く太くなっているなど、形状は一定していないが、特異な棘となっている。その棘の
内部に大小2個体(殻高約6mmと4.5mm、雌雄と推定)のバクダンウニトゲヤドリニナが棲息して
いる。殻は卵円形でガラスのように透明、殻底がまるい。殻頂部螺塔は細く、つまみ状、殻表は
平滑で光沢がある。異常を示す棘には長さ約4mmの細い切れこみがあり外部と繋がっている(西
村和久 2008 写真)。
                    ヒトデナカセ科 
 1.ヒトデナカセ Thy(Bessomia)ectoconcha SARASIN
  ヒトデナカセはチャイロホウキボシ(ヒトデ)の裏側に着生しています。チャイロホウキボシは直
径4cmほどの中型で水深5mから10mの造礁サンゴが点在する砂混じりの岩礁上に生息して
います。ヒトデナカセの着生部位は、腕の裏側で3個体以上の着生は稀です。形は殻頂を巻き込
んだ笠形をしていて、フィリピン産と比べ小形で細長い(西村和久写真、2006)。尚、フィリピン産
はアオヒトデに着生しています。
 
         フウリンチドリ科                    
  殻は小形の笠形で白く、殻の内側にV字形の殻板が釣り下がっていて、この
形から「風鈴」の名が付けられています。殻板は採集時にあったものが、時間の
経過とともに脱落する場合が多く、足の裏に厚い石灰質の台座を作り固着生活を
します。
 1.フウリンチドリ Cheilea equestris(LINNAEUS)
 殻長約2cm、殻表に細かい放射肋が刻まれている。写真は菱田嘉
一の撮影(1999)。大島(草苅正、1996)、八丈島(横間の揚げ砂)
から記録がある。
 分布:種子島以南。
 2.シワフウリンチドリ Cheilea torilis (REEVE)
 殻長約4cmと大型で殻表はやや不規則な成長脈と著しい皺(しわ)
がある。写真撮影は国立科学博物館(1991)。八丈島で打ち上げ個
体の採集記録がある。
 分布:奄美諸島以南。
                                         
 3.ホシガタフウリンチドリ Cheilea scutula (REEVE)
 殻はやや平たく、殻表は細かい多数の放射肋と不規則な成長脈が
交差する。。写真撮影は国立科学博物館(1991)。八丈島で打ち上
げ個体の採集記録がある。
 分布:奄美諸島以南。
                                         
 4.トアミフウリンチドリ Cheilea bulla (REEVE)         
   殻はやや平たく,殻表は格子状でまばらな褐色斑がある。写真
撮影は菱田嘉一(1999)。八丈島で記録がある(葛西重雄、198
2)。
 分布:奄美諸島以南。
 5.チリメンフウリンチドリ Cheilea cicatricose(REEVE)
 殻長は約3.5cmと大型で殻表は皺状である。写真撮影は菱田嘉
一(1999)。八丈島で記録がある(葛西重雄、1982)。
 分布:奄美諸島以南。
 6.キヌメフウリンチドリ Cheilea hipponiciformis(REEVE)
 小形で殻が薄く殻表は絹目状となっている。八丈島で打ち上げ個体
の採集例がある。写真は石垣島の大川産。
 分布:四国以南。
 7.スズメフウリンチドリ Cheilea pipleopsis(GUOY & GAIM
ARD)
  殻長は約1cmと小形で殻頂は後に寄り殻表には多数の細かい
放射肋があります。八丈島で記録がある(葛西重雄、1982)。
 分布:四国以南。
 8.ズキンフウリンチドリ Cheilea atultorum(REEVE)
 殻はやや薄く、表面には細かい放射肋と成長脈があります。瓢箪瀬(式根島の西10km程にあ
る浅瀬)の水深125mで採集例がある(奥谷喬司、1972)。
 分布:相模湾以南。
                     シロネズミガイ科
1.マルシロネズミ Vanikoro helicoidea (GUILLOU)
 殻は白く、体層は丸く、殻表には密な螺肋があります。殻長は約1.
2cmで、この仲間では大型。八丈島・小笠原・北硫黄島にて死殻採
集。写真は小笠原産。                            
 分布:四国以南。
2.イトカケシロネズミ Vanikoro gueriniana (RECLUZ)
 殻は厚質で、白く殻表には多くの螺肋があり、その上に太い縦肋が
間隔を空けてあります。八丈島・小笠原にて死殻採集。写真は奄美
大島産。                                    
 分布:奄美諸島以南。
3.クビレシロネズミ Vanikoro distans (RECLUZ)
 殻長は1cm前後と小形、螺塔がやや高く縫合のくびれが強い。八丈
島(葛西重雄、 1968),小笠原母島桐浜(福田宏、 1993 写真)から記
録がある。                                   
 分布:奄美諸島以南。
.4.ヤグラシロネズミ Vanikoro fenestrate (A.ADAMS)
 殻表には3本の太い螺肋があり、成長肋と交差し顆粒状になるが、若い殻は粗い格子目状の彫
刻が強く、成長すると丸くなり、弱い螺肋のみとなります。八丈島で死殻採集、小笠原(大里卓
司 、1996)。                                                  
 分布:紀伊半島以南。
5.カゴメシロネズミ Vanikoro cf. cancellata (LAMARCK)
 殻はマルシロネズミより重厚、肩が張り隆起した間隔の広い縦肋が体層にあり、肋間には細い
螺肋があります。小笠原父島(福田宏、 1994)。                             
 分布:沖縄以南。
6.テマリシロネズミ Vanikoro acuta (RECLUZ)
 本種はハワイでの採集記録がある。小笠原(福田宏 、1994 写
真)、新称。
7.オガサワラシロネズミ Vanikoro sp.
 本種は殻底に著しい特徴があります。体層部と殻底部の境が弱く
隆起したような角を形成し、一見して殻底部に螺肋を巻いた様に見
え、そこから臍孔にかけてがほぼ平らになっています。臍孔周縁は細
かい歯車状です。小笠原(山下小次郎 、1994 写真)から初めて記
録された。